第11話 特別な切符

 見ると突然消えた男は、列車の外で空から舞い降りてくるサギを捕っていました。

 それは見事な腕前で、またたく間にたくさんのサギを袋に入れ、また一瞬で列車に戻ってきました。どうやってそんな一瞬でここに戻ってきたのか不思議で仕様がないジョバンニたちは、その男に尋ねます。しかしその男には、それをわからない二人の方がむしろ不思議で逆に二人がどこから来たのかと尋ねるのです。

 ジョバンニは、自分はどこから来たのかどうやってきたのかわからず悩んでしまいます。

 そこへ、切符の確認に車掌がやってきました。カムパネルラも他の人も次々と切符をみせていきます。

 ジョバンニは駅を通らず列車に乗ったため、切符を持っていません。焦ったジョバンニは、もしかしていつのまにかどこかに切符が入ってはいないかとポケットを探ってみると、ポケットの中に見たことのない緑色の紙切れが入っていました。

 鳥を捕る男が言うことには、どうやらその紙切れは、どこまででも行けるとても特別な切符なのだそうです。

 裏表なく素直にジョバンニを認め、褒めてくれるその男に、ジョバンニの嫌悪感はいつのまにか消え、そして彼の幸せのために何かしてあげたいと思うようになりました。しかしそう思ったときにはすでに遅く、鳥を捕る男はもう列車から降りてしまっていたのです。

 そして、ジョバンニはなぜ彼にもっと優しくしなかったのかと後悔するのでした。 

銀河鉄道の夜

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